こんにちは。
まだまだ寒い日が続いていますね。
立春を過ぎても、『今年一番の寒さ』なんてニュースが毎日繰り返されているような…。
そういえば今年は、雪が降って一面の白銀景色…みたいなものはまだ見ていません。
色鮮やかな景色なども華やかで好きなのですが、雪が降り積もった白一色の街並みは
情緒や季節感もありますし、見てみたい気もします。
そういえば、書道はざっくりと見れば黒と白の世界ですね。
実際には、墨色は細かなニュアンス(青墨や淡墨、赤茶や紫紺など)があり、紙にも色が使われているものがありますが、大きく見れば黒と白ではないでしょうか。
その中で、当店の商品に文字通り、『多彩』な商品があります。
というわけで、ちょっと強引ですが(笑)、今回は『顔彩』についてご紹介したいと思います。
顔彩は、顔料といわれる『色の素』に、膠と澱粉質を加えて練り混ぜ、角皿などに入れて乾燥させたものを指します。
顔料とは、水や油に溶けない粉末状の着色料の事です。
逆に、溶けるものは『染料』となります。
顔料には、植物から抽出した『有機顔料』と、
鉱物や化学合成物の『無機顔料』の二つに大きく分けられます。
最近の顔彩は、多くは無機顔料らしいです。
かつては、絵の具や顔料に使用される素材はどれも高価であったり、入手の難しいものが多かったようです。
それを使って絵画や自画像などを描いたり、あるいは描かせたりすることは、それこそ貴族やごく一部の限られた人々のステータス、贅沢だったのでしょうね。
高価なものや特殊な例を少し挙げてみます。
★ラピスラズリ(深い青色)や、孔雀石(マラカイトとも。緑色)
装飾品や宝石としても扱われるものですから、これを顔料に使用するなんて本当に贅沢だったのでしょう。
★巻貝の粘液(貝紫色)
こちらは採取に大変手間がかかり、高額取引される素材だったようです。
★カイガラムシ(赤やカーマイン)
18世紀に生物学者に暴露されるまで、素材が昆虫だったことは秘密にされていたといいます。やっぱり気持ち悪いから、でしょうか?虫の方からしてみたら散々な話です。
★マンゴーの葉のみを与えられた牛の尿(インディアンイエロー)
そもそもマンゴーの葉は牛の餌として栄養的に適さないらしく、動物愛護の観点から製造されなくなったようです。当然の結果です(笑)
こんな感じで、昔は色を表現する素材作りはひと苦労だったようです。
現代では沢山の色を手軽に使える時代になりました。
墨や紙の歴史がとても深くて長いように、色の歴史も深いものがありますね。
画像の商品『顔彩深美』は、全36色あります。日本画独特の色彩で、筆運びによる濃淡や滲みが自由に表現できます。絵手紙や俳画の作成にオススメです。
他にも当店は文房四宝をはじめ、充実の商品ラインナップとなっておりますので、ぜひ一度ご来店ください。
さて、寒いこの時期を過ぎれば、色々な草花が芽吹き、鮮やかな春がやってきます。
暖かい季節を待ちわびながら、今日も頑張っていきたいと思います。
筆者名:柴田