ブログをご覧の皆さま、こんにちは
コロナ禍でなかなかと行けなかった中国ですが最近はビザも取りやすくなりました。
2022年12月までゼロコロナ政策で規制も厳しく、2022年9月に行った時は内陸部への移動が
規制などもありなかなかと行けませんでした。 でも今の中国は世界と同様に規制がなくなり
自由に移動ができマスクも半数の人が着けていないほどです。
100万円近く掛かった出張経費も今では以前と変わらない位のお値打ちな飛行機代になりました。
ありがたいことです。 海外旅行が趣味の私としては飛行機乗って自由に色々な場所に行ける様に
なることが何より嬉しいです。
私は今、現場を見て新しい物や良い物をより安く提供できる様に安徽省に向かっています。
4月には北京の文房四宝博覧会と長年取引してる紙工場へ行ってきました。 今回は安徽省へ紙探しの旅に出ています。
安徽省の紙で1番有名なものは紅星牌です。本画仙とか宣紙と言われ日本でもよく使われています。
稲藁と青檀皮を主原料として製造される宣紙は滲みや墨色、立体感が美しく出ます。
紙は数年寝かせた方が滲みが緩やかになり、滲み箇所がギザギザした感じからフワッと優しい滲みへと変化します。
保管場所にもよりますが3年程経った紙と漉きたての紙では大きな違いが出るほどです。
宣紙は寝かすことにより(紙を安定したところで置いておくこと)で緩やかな滲みへと変化します。
逆に漉きたての紙はまだ落ち着いていないので滲みが早く雑な滲みになりがちです。
例えるならば、漉きたての紙を子供だとします。子供にストレス的なことを与えると直ぐに
反応してしまい雑な返しになりますが、よく寝た紙は年配の方の様に何か問題が生じても
動じる事なく一度受け止め自身で確認してから丁寧に物事を返すような感じです。
だからこそ紙は買ってから直ぐ使うのでなく数年タンスの上や湿気の少ないところで保管を
して忘れた頃に取り出して使ってもらうと美しい滲みや墨色、立体感が良く出ると言われています。
紙の保管の際に、湿気の少ないところ、直射日光の当たらない所とよく聞くと思います。
私もそれでいいと思いますが、よく皆さんでお忘れなのが、セロハンテープや粘着テープを
買ったまま付けた状態で保管される方も居ますが、ベストはテープなどは剥がしてください。
封が開くのが気になる方は麻紐や梱包用紐で閉じてください。
セロハンテープや梱包用テープは粘着部分にアルコールを含んでいたり化学成分を含んでいます。
それが黄色く焼けて紙に移ってしまいます。 テープを剥がして紐で包装紙が解けない様にして
購入年月日などを記載しておくと3年後や5年後に分かりやすいと思います。
シミが出た紙は使って問題ないです。問題なのは風邪を引いた紙です。
風邪を引いた紙とは、滲む所と滲まない所、墨は裏まで入っているのに
一部分だけ墨が入らないなど一枚の紙の中で不具合が出ることです。
風邪を引いた紙は構成などに使い、作品用に使うのはおすすめしません。
シミの入った紙は100枚の中でも内側の紙などは入っていない事も多いのでよく見てみてくださいね。
10年以上寝た紙を珍紙(ちんし)と言います。 10年前の紙は非常に珍しく価値が有るからこそこの名で呼ばれます。
良い紙は寝かす事をお勧めします。 逆に機械漉きの画仙紙は5年以上寝かせても良くならない
書き味が落ちると言う漉き場の人もいます。 使うタイミングは難しいと思いますが一度に全部使わず
今日はこの紙を楽しんでみよう的な感じで色々な紙をお試しください。
ではそろそろ新幹線が安徽省に到着するのでこの辺で。 もし紙の事でお悩みや相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。
安藤