「書は体を表す」・・・ということばは上手、下手をいうのではありません。
字はその人、本人そのものなのです。筆・墨・紙・硯などの用具選びからはじまり、使い方・書くときの速さ・筆圧のかけ方・太い字・細い字・・・・その時の心情、さまざまな要素が絡みあって仕上がります。
その作品は、落ち着きやしなやかさ、時には激しさ、厳しさ、書体にこめられたこころ意気も感じられます。そのとき、そのひとでなければ出ない味わいがあります。
そんなかけがえのない作品を軸や額に仕上げていく事を表装といいます。
まさしく衣装をきせていくことなのです。 作品の持つ雰囲気を引き立たせていく事、これが表具師の使命です。
ここでは額装…額の種類を簡単に説明します。
フリータイプ
作品板にアクリルが密着しているタイプ。張り込むスペースが広く余裕があるので小作品を散らして張り込みもできる。一応、規格寸法がある。
落しタイプ
作品板の前に窓枠の様に「落し枠」が入ったタイプ。作品が一段沈みこみ、奥行きがでる。内枠寸法が決まっているので違うサイズの作品を入れることは出来ない。
浮かしタイプ
作品板が下地のマット板部分から前に飛び出す様に付いているタイプ。浮し板を作り直すことで違うサイズの作品にもあるていど対応できる。立体的な作りなので豪華さがある。
その他アクリル額・パネル額などあります。枠の素材も木製・アルミ製があって、額のタイプや作品寸法との組み合わせ次第でお好みのものが作れます。布地も豊富で、色の組み合わせでツートンのデザインにすることもできます。
是非、お気に入りの一品をお選び下さい。
選ばれた額と作品でどうを表現していくか・・・ひとつひとつの作品に真摯に向き合う気持ちを大切に、表装に取り組んでいきます。
筆者:安江