早いものでもう9月。 今年の夏は猛暑日が昨年より少なかったですね。
とはいえ、ぐずついたお天気の日が多くてすっきりしません。
皆さん体調はいかがですか? 身体と気持ちを整えて書にむかいたいものですね。
さて、今回は軸の風帯(ふうたい)について御説明します。
軸の上から布の帯が垂れているものを下げ風帯(垂れ風帯)といいます。
下げ風帯
類書の説明では「中国で鳥の糞がかかるのを防ぐ脅しの役目」とありますが現実には実用的では無く、純然たる装飾と考えて良いと思います。
本式の風帯は「下げ風帯」といって2本をぶら下げてつけます。
この場合の布は一文字と同じ布地になります。風帯を表地に張りつけず、下げるので下げ風帯(垂れ風帯)といいます。布地の幅を三等分した境目に、天の長さ分だけ下げます。
他に「筋風帯」や「張り風帯(押し風帯)」などがあります。
筋風帯
三段表装垂れ風帯が茶掛けの基本になります。重厚感のある落ち着いた形式といえると思います。
それに対して筋風帯は、すっきりとさせたい・少しアクセントがほしい時に良い形式です。
筋の数は2本でもいいです。
張り風帯は風帯の布地を表地に張りつけたものです。風帯を簡略化した感じがありますがアクセントになります。
ちなみに、下げ風帯の下端の左右に、小さな総(ふさ)のような綿糸をつけたものを露花(つゆ)といいます。
現在は、床の間のある家も少なくなってきています。洋間に掛け軸をかけたいけど・・・と思ってみえる方もいらっしゃると思います。従来の型にこだわることなく自由に発想し作品を楽しんでいくのもよいのではないでしょうか?
芸術・文化の秋です。今のおもいを作品におおいにぶつけてみてください。
筆者名:安江