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<猫についてやたら褒めちぎった日記>

2014年04月18日  カテゴリー : スタッフブログ

こんにちわ。

最近はずいぶん暖かくなりましたね。

この間まで丸まってばかりでまったく動かなかった我が家の猫達も、暖かくなるにつれてやんちゃぶりを取り戻しつつあります。

(白と、白黒のぶちの2頭の猫を飼っています)

 

今回はそんな猫に関わる、ある書作品をご紹介したいと思います。

いつもより砕けた内容になっておりますが、お付き合い頂けますと幸いです。

 

その作品は、現存する天皇の日記としては最古のものである

『寛平御記』

というものです。

 

作者の宇多天皇は第59代天皇で、醍醐天皇の父、村上天皇の祖父にあたる方だそうです。

作中の一部で、飼っていた猫についていくつかの記述を残しています。

 

この寛平御記、実は猫飼いの方々の間ではなかなか有名なもの。文章は漢文で難解なのですが、書道で特に漢字を書かれる方には楽しんで戴けるかも…と思いました。

 

さて、なぜ猫飼いさんの中でこれが有名なのか?

 

…実は宇多天皇、この日記の中で結構な猫好きっぷりを披露しているんです。

では、ほほえましいばかりの親バカっぷりを少し紹介します。

(※印は今風に訳した文章です。)

 

『愛其毛色之不類。餘猫猫皆淺黑色也。此獨深黑如墨。』

※その毛づやの美しさったらもうすごいのだ。他の猫が見劣りするくらいに真っ黒で、墨のよう。本当にカワイイのだ。

 

『長尺有五寸高六寸許。其屈也。小如秬粒。其伸也。長如張弓。』

※背は6寸(18cm)ほど、体の長さは1尺5寸(45cm)ほど。小さくかがむとまるで小さな黒きびの粒のよう。大きく伸びをするとまるで弓を張ったように長い。

 

『眼精晶熒如針芒之亂眩。耳鋒直竪如匙上之不搖。』

※瞳はキラキラと光り、耳はスプーンのようにまっすぐ、ぴーんと立っている。

 

『其伏臥時。團圓不見足尾。宛如堀中之玄璧。其行歩時。寂寞不聞音聲。恰如雲上黑龍。』

※丸まってる時は足も尻尾も分からなくて、まるで洞窟か何かの中に鎮座する黒い宝玉のよう。歩くときはひっそりと音も立てずそう、まるで雲の上をゆく黒い龍だ!

 

…いかがでしょうか?

この方、猫が好きで好きで仕方ないと思われます(笑)

これだけの褒め言葉を惜しげもなく日記に書いて、まさか後世で公にされるなんて意識もなく、とにかく書きたくてたまらなかったんでしょうねぇ。

しかも、これだけ褒めちぎっておきながら、

『先代の帝から押し付けられたから仕方なく面倒をみているだけで、全然愛情なんてかけてないし』

とも書いています。

あとで読み返してみて、我に返ったのでしょうか?(笑)

なんとも可愛いお方というか、私は親近感を覚えました。

 

気になった方、この日記について調べてみたいという方は、

『 寛平御記  猫 』

といった感じの検索ワードで探してみてください。

きっと微笑ましい文章がたくさん出てくると思いますよ。

 

最後に、我が家の白い龍を(笑)

食い意地の張った、可愛いヤツです。

では。

画像 004.jpg

 

 

 

筆者名:柴田

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