こんにちは
暦の上では春ですが、毎日寒い日が続きますね
ここ岐阜市でも今朝から雪が沢山降っています
皆さん、お出掛けの際には是非暖かい格好でお出掛け下さいね
さて今回は、筆の特徴第二弾!
鼬毛の次は、羊毛をご紹介!!
…あっ。ウール100%って言葉を思い浮かべた方、おみえになりませんか?
鼬毛の場合もそうでしたが、羊毛の場合も、良い筆になる為には様々な条件があるんです
まず羊毛といっても、セーターやマフラーなどに使われる、いわゆるウールとは全く違うものです。
筆に使われるのは、中国江南地方(長江の南部)に生息する山羊の毛に限られています。
なので、普通の羊毛などと区別する為、山羊毛(さんようもう)とも呼ばれているんです
また、羊毛は生えている場所によって何十種類もの分類に分かれます。
実際にその中でも良質と言われるのは顎から胸の方にかけての毛
粗光峰、細光峰…と呼ばれています。
あっ。ちなみに細光峰は雄からしか取れません。
そして、さらに細光峰の中でも毛先の透明な部分が長く飴色になっている物は特に上質とされ、細微光峰、細嫰光峰などと呼ばれ重宝されています✨
長さも充分。
毛先は細かくよく利き、まとまり、墨含みも良く、お手入れさえ上手くしていけば5年、10年と使えるくらいの寿命の長さが特徴です
大玄堂でも羊毛筆、数多く取り揃えていますよ
そして…
◎人気の一本!
仮名用太筆(細光峰)・・・貫之
◎羊毛の柔らかさが苦手な方にはこれ!
漢字用太筆(羊毛+鼬毛)・・・孔子
羊毛筆オススメです!!
是非お試し下さいね
筆者名:國嶋
こんにちは。
まだまだ寒い日が続いていますね。
立春を過ぎても、『今年一番の寒さ』なんてニュースが毎日繰り返されているような…。
そういえば今年は、雪が降って一面の白銀景色…みたいなものはまだ見ていません。
色鮮やかな景色なども華やかで好きなのですが、雪が降り積もった白一色の街並みは
情緒や季節感もありますし、見てみたい気もします。
そういえば、書道はざっくりと見れば黒と白の世界ですね。
実際には、墨色は細かなニュアンス(青墨や淡墨、赤茶や紫紺など)があり、紙にも色が使われているものがありますが、大きく見れば黒と白ではないでしょうか。
その中で、当店の商品に文字通り、『多彩』な商品があります。
というわけで、ちょっと強引ですが(笑)、今回は『顔彩』についてご紹介したいと思います。
顔彩は、顔料といわれる『色の素』に、膠と澱粉質を加えて練り混ぜ、角皿などに入れて乾燥させたものを指します。
顔料とは、水や油に溶けない粉末状の着色料の事です。
逆に、溶けるものは『染料』となります。
顔料には、植物から抽出した『有機顔料』と、
鉱物や化学合成物の『無機顔料』の二つに大きく分けられます。
最近の顔彩は、多くは無機顔料らしいです。
かつては、絵の具や顔料に使用される素材はどれも高価であったり、入手の難しいものが多かったようです。
それを使って絵画や自画像などを描いたり、あるいは描かせたりすることは、それこそ貴族やごく一部の限られた人々のステータス、贅沢だったのでしょうね。
高価なものや特殊な例を少し挙げてみます。
★ラピスラズリ(深い青色)や、孔雀石(マラカイトとも。緑色)
装飾品や宝石としても扱われるものですから、これを顔料に使用するなんて本当に贅沢だったのでしょう。
★巻貝の粘液(貝紫色)
こちらは採取に大変手間がかかり、高額取引される素材だったようです。
★カイガラムシ(赤やカーマイン)
18世紀に生物学者に暴露されるまで、素材が昆虫だったことは秘密にされていたといいます。やっぱり気持ち悪いから、でしょうか?虫の方からしてみたら散々な話です。
★マンゴーの葉のみを与えられた牛の尿(インディアンイエロー)
そもそもマンゴーの葉は牛の餌として栄養的に適さないらしく、動物愛護の観点から製造されなくなったようです。当然の結果です(笑)
こんな感じで、昔は色を表現する素材作りはひと苦労だったようです。
現代では沢山の色を手軽に使える時代になりました。
墨や紙の歴史がとても深くて長いように、色の歴史も深いものがありますね。
画像の商品『顔彩深美』は、全36色あります。日本画独特の色彩で、筆運びによる濃淡や滲みが自由に表現できます。絵手紙や俳画の作成にオススメです。
他にも当店は文房四宝をはじめ、充実の商品ラインナップとなっておりますので、ぜひ一度ご来店ください。
さて、寒いこの時期を過ぎれば、色々な草花が芽吹き、鮮やかな春がやってきます。
暖かい季節を待ちわびながら、今日も頑張っていきたいと思います。
筆者名:柴田
硯は墨液を作る為の道具です。硯の表面部分(俗に「丘」「墨堂」と呼ばれる部分)は鋒鋩(ほうぼう)と呼ばれる細かいザラザラ状態となっています。この鋒鋩に固形墨をすりつけて墨液を作ります。最近では墨液商品も多く、実際墨液を買われる方は非常に多いです。ありがたいことではありますが、やはり書道用品店としましては、固形墨で墨を磨る楽しみもお客さまに提供したいと思っております。そういえば、わたしが小学生の時分の書道の授業では前半15分くらいは墨を磨りました。先生から「墨を磨って心を落ち着かせてから書に向かいなさい」と教えられたのを思い出します。固形墨には香料も入っておりますので、実際磨っていると良い匂いもして、なんだか落ち着きます。丁寧に作った墨液で書くとなんだか字も上手いような気さえします。とはいえまだまだ勉強中の身ではありますが・・・。
さて、今回は硯の手入れに関してお話させていただきます。前回のブログで泥砥石に関して説明させていただきましたが、今回はその前段階の手入れに関してです。硯の手入れの基本は「毎回きれいに洗うこと」です。今回は私、不肖小寺が実際に手入れしてみましたので、ご参考になれば幸いであります。
毎日手入れが上手く行き届いていない状態の硯を用意しました。
硯の表面がテカテカとしています。所によっては墨の塊のようなものがこびりついています。これはもう重症ですね。鋒鋩に墨が詰まってしまっているのが見た目から分かります。これでは満足に墨を磨ることもできません。そこで、ぬるま湯に一時間ほど着けておき、洗剤の付いていないスポンジの柔らかい部分で墨堂の部分を手入れしてみました。
随分と表面がきれいになりました。ここでのポイントは、ぬるま湯にしばらく着けておくことです。ぬるま湯に着けておくことにより、鋒鋩の間の細かい墨の粒子が浮いて取れやすくなります。冬の時期はお湯もすぐに冷めてしまいますので注意が必要です。また、熱湯だと急激な温度変化で硯が傷んだり、最悪の場合割れてしまうかもしれません。お風呂のお湯くらいを目安に、つけ置きをしてください。
通常の手入れはこのくらいでもいいかもしれませんが、画像からもわかりますが、この状態では墨液が溜まる「海」と呼ばれる部分の墨がきれいには落ちていません。長く手入れが行き届いていないとこのような状態となります。このような場合は使い古した歯ブラシなどを使います。
硯全体がお湯に浸かった状態でこのように墨を落していきます。この際、注意が必要なのは、決して歯ブラシで「丘」の部分を磨かないことです。硯の表面の鋒鋩は石と言えども繊細で、キズが付いてしまうかも知れません。あくまでも「丘」の部分を手入れする際は繊細さにも留意して優しくおこなって下さい。縁の部分のみ、このように歯ブラシを使って頂いてもいいかと思いますが、メラニンスポンジなどもいいかと思います。中にはかなり頑固にこびりついた墨もあるかと思います。その際は何度も何度もお湯で溶かし出してはこの作業を繰り返してください。必ずきれいになります。間違っても金属製の針などではがそうとしないでください。繊細な鋒鋩が傷んでしまいます。
根気よく手入れをした結果、このようになりました。最初の画像と比べるとかなりきれいになりました。ここまでで通常の硯の手入れはいいかと思います。
今回は、お湯につけておく時間も含めて、約2日間程手入れに時間がかかりました。いつもきちんと使用後に毎回きれいに洗えば、数分で終わる作業だと思います。この状態でもうまく墨が磨れない時は、泥砥石を使ってみてください。
こうして手入れをしているうちに硯に愛着がわいてきます。悠久の年月を経て、人間が使う道具となった石を大切に使っていきたいものです。
皆さんも是非お試しください。
筆者名:小寺
皆様、普段硯のお手入れはされていますか?
「もちろん水できれいに洗ってるよ!」というお叱りを受けそうですが・・・
それでも長く使っていると、墨下りが悪くなり、墨色が出にくくなってくると思います。
そんな時には一度この「泥砥石」で硯を手入れしてみてください。 墨おりが良くなり、墨色がよくなります。
お手入れ方法
1・硯の面に少し多めに水を張り、泥砥石を少しの間置きます。5分程水に付けると砥石が溶け出します。
2・溶け出した泥砥石で墨をするような感じで面を磨きます。(優しくゆっくりと磨ってください。)
3・全体を磨いたら最後は泥が残らないように綺麗に洗い流してください。
4・もし、四隅にこびりついてどうしても取れないものがあったら、使い古しの歯ブラシなどでこすってください。間違っても、陸(墨を磨る部分)をガシガシこすってはダメですよ
簡単に硯のお手入れができます。一度お試しください。
硯は消耗品ではない為、長く愛用される方がほとんどだと思います。
きちんと手入れすればご自分の孫の代まで、引き継げると言われています。
筆者名: 清水